抗がん剤の副作用で口内炎になったときの対処法

MENU

口内炎(口内の痛み・口の渇き)

 

若年者、造血器腫瘍に多く感染すると生命の危隙も

 

口の中は、歯を除いて粘膜でおおわれています。
抗がん剤は口内の粘膜細胞を攻撃して、破壊と炎症を引き起こします。

 

一般に、症状は抗がん剤使用後2~10日目頃にあらわれやすくなります。
この時期に白血球が減少する副作用が重なると、炎症を起こした粘膜部分に細菌などが感染しやすくなります。

 

感染すると発熱や体力低下、イライラ、不眠など、身体的にも精神的にも大きな苦痛をともない、
生命の危険をまねくこともあります。

 

口の渇きも粘膜の炎症にともなって起こる口内炎の一症状ですが、口内粘膜が乾燥すると傷つきやすくなり、口内炎を悪化させます。
このほか、入れ歯が合わない、歯が粘膜に当たる、口の中が清潔に保たれていない、全身状態が悪いときなども口内炎は悪化します。

 

口内炎の発症は高齢者より若年者に多く、固形がんより白血病や悪性リンパ腫など造血腫瘍の人に多いといわれます。

 

口内炎を起こしやすい抗がん剤は、メトトレキサート、フルオロウラシルなど多数ありますが、多剤大量投与を受けた場合はとくに起こりやすいとされています。

 

口内炎の症状

  • 疼痛
  • 赤くなる
  • はれる
  • 口内の乾燥
  • 味覚の変化
  • 出血
  • 飲食物がしみる飲み込みにくい
  • 口を動かしにくい話しにくい

 

 

予防が重要。口の中を清潔に保つ

 

抗がん剤治療による口内炎は一時的なもので必ず治ります。

 

しかし、いったんできてしまうと、白血球のなかの好中球が回復して、粘膜が再生するのを待つしか方法がないため、治療を開始する前から予防することが重要です。

 

予防の基本は歯磨きとうがいを励行し、口内を清潔に保つことです。
毎食後30分以内と寝る前の1日4回、やわらかいブラシで歯を磨きます。

 

入れ歯を使用している場合は、入れ歯の洗浄も忘れずに行ないます。
口内炎や歯周病などがある場合は治療し、入れ歯が合わない人は調整が必要です。

 

歯石を取ってもらい、正しいブラッシング法の指導を受けておくとよいでしょう。
ただし、清潔を保つために熱心にブラッシングをしすぎると、口内の粘膜を傷つけてしまうことがあります。逆効果となるので、十分な注意が必要です。

 

歯磨き、うがいのあとは、リップクリームなどで唇を保湿します。
喫煙は口内を汚し、粘膜の血行を悪くするので禁煙します。
粘膜を傷つけないように、かたい食べ物や熱い飲食物は避け、少なくとも1日1回は傷がないか口内を自己チェックしましょう。

 

治療開始後の口内炎予防として、使用する抗がん剤や症状によっては、口腔内冷却療法や薬剤が用いられることがあります。

 

食事の工夫

  • できるだけ薄味に
  • 口の中で簡単つぶせるようなやわらかさに
  • 室温程度にさます
  • とろみをつけると食べやすい

 

 

うがいや薬で感染を予防、食事は消化の良いものを

 

口内炎ができて痛みが強いときは、症状によって鎮痛薬や軟膏、内服剤を使用します。
うがい薬や局所麻酔薬を使ったうがいも効果的です。

 

悪化させずに感染を予防するためには、こまめにうがいを行ない、粘膜を保護しましょう。とくに血小板が低下しているときや出血がみられる場合は、粘膜を刺激しないように注意が必要です。

 

口内炎があると食事がしにくくなりがちですが、治療を続けるためにも食事は重要です。
極端に熱いものや冷たいもの、香辛料、アルコール、酸味のもの(とくに果物)、大量の生野菜など、粘膜を刺激するものは避け、やわらかい食材を使った口腔食や、食材をやわらかく加工したもの、栄養補助食品などが多く販売されています。

 

乳幼児向けの離乳食なども食べやすいので利用できます。
また、口内が乾燥すると、粘膜が傷ついて出血しやすくなるので、水分を多めにとるようにします。